金属カバー工法は、一般的には既存の屋根の上にガルバリウムなど金属製の新しい屋根を載せて日陰効果を狙う方法です。カバールーフとも呼ばれます。これは劣化した屋根の修理でも行われる方法ですが、遮熱工事においての金属カバー工法は、新しい金属屋根と既存の屋根の間に遮熱材や断熱材を挟み込む方法が多くなっています。
金属カバー工法に使用する金属外装材の反射率は10%程度であるため、残りの熱は金属屋根の下に吸収されて建物内に伝達されます。この熱は、二次輻射熱として既存の屋根に放射されて温度を上昇させます。
この狭い密閉空間では、ステファンボルツマンの法則に則り放射量は絶対温度の4乗で増加、室内環境は日陰効果どころか増々劣悪化が懸念されます。
遮熱材を挟んだ場合は、反射率が向上するため、建物内に吸収される熱は何もない場合より少なくなりますが、屋根と屋根の間の狭い空間で同様の現象が起こります。この対策が必要となります。
この対策を行っているのが、下記の工法です。
屋根と屋根の空間(通気道)の排気温度を温度に反応して収縮する形状記憶合金開閉装置が感知し、通気道を流れる空気の温度が一定になるよう24時間自動でコントロールし、温度上昇を抑えます。
空気を逃がせる換気棟を設置。既存屋根と新規屋根との間に空気層ができて上昇気流が発生し、自然換気の現象を引き起こします。
金属カバー工法は、上記のように屋根と屋根の間の空間の温度上昇に対する対策さえなされていれば、メリットの多い工法です。
既存の屋根材を撤去することなく施工できるため、例えば工場であれば、稼働させたままの工事が可能。ガルバリウムなどの金属製の屋根材は軽くて耐久性にも優れているため、長期間にわたって建物を守ることができます。
※参照元
日刊工業産業新聞公式サイト(2024.04.17付ニュース)(https://biz.nikkan.co.jp/sanken/shingizyutu/36shingizyutu.html)
※このサイトで紹介している会社は、Googleで2024年3月30日時点で「遮熱工事」で検索し表示される会社のうち以下の条件に当てはまる会社
➊遮熱工事の具体的な内容(遮熱材や工法の情報)が公式サイトに記載のある会社
➋施工場所の業務や工場の稼働などに影響のない工法(建物内ではなく「屋根の上」で行う工法)
➌同じ遮熱材・工法の場合、代理店は除外、自社が大元となって展開する商標登録元・特許技術取得元・販売元の会社12社です。
※その中で、特許技術取得、商標登録等されているオリジナルの工法(自社開発の工法)で、代理店の数や施工事例等から実績が多いと判断される会社を紹介。(上記の会社の中ではこの3工法となります)