こちらでは、工場の雨漏り対策を紹介しています。まずは、工場において雨漏りが発生する原因を把握することが大切です。雨漏りの原因と影響をふまえ、どのような対応が適しているか、じっくりと検討しましょう。
屋根材の老朽化が進むことで、雨漏りが起こりやすくなります。築年数が古い工場の場合は特に、老朽化を放置しておくと危険です。しばしば見受けられるのは、屋根表面の塗装が充分に機能しない状態になっているケースです。
なかでも注意が必要なのは、表面にカビやコケが繁殖している屋根です。ひび割れなどがあっても、カビやコケに覆われていると、発見が困難になります。小さいひび割れや損傷であっても、台風などの自然災害が起こると、ダメージが一気に深刻化することも。その結果、雨漏りが始まったり、あるいは屋根が崩壊したりする可能性も否定できないのです。
屋根材を固定するために使用されているボルト周りのコンディションが悪いと、それも雨漏り発生の原因になり得ます。工場をはじめとする大規模施設では、折板屋根や波形スレートなどの屋根が採用される場合が多いです。これらのタイプの屋根は、ボルトで固定されるのですが、紫外線や風雨にさらされ続けて経年劣化が進むと、錆びが生じます。
そうなると、すこしずつボルトが緩くなっていくため、最終的にはボルトを差し込んでいる穴に隙間ができます。そこから雨水が浸入し、雨漏りを引き起こす可能性があるのです。
コーキング部分の経年劣化にも注意しましょう。コーキングとは、工場に気密性や防水性を持たせるために、シリコンやウレタンなどの樹脂を用いて隙間を埋める作業のことです。屋根に換気扇を設置している場合や窓がある場合には、コーキングが必要になります。
コーキングが劣化すると、ひび割れが生じたり、ひどい場合には崩れてしまったりするリスクがあります。そのような状態になれば、どうしても雨漏りが発生しやすくなります。コーキングが劣化しているかどうかについては、専門業者による定期点検を受け、しっかりと把握していくことが大切です。
工場で稼働する機械のほとんどは、水に弱いです。水に濡れると、ショートして故障してしまうおそれがあります。精密機械の場合は、修理するのにかなりの費用がかかります。
また、機械がなおるまでの期間、損失は決して小さくないはずです。製造ラインをストップせざるを得なくなり、納期の遅れが発生するなどの事態に陥ってしまう可能性があります。
工場や倉庫における雨漏りがもたらす代表的な被害として挙げられるのが、商品へのダメージです。水に濡れてしまうことで、販売できないような状態になってしまうことも。さらに、製造に使用する材料や原料もダメージを受ける可能性もあります。
また、大量の在庫を工場にストックしている場合には、とくに注意が必要です。雨漏り発生時に、水に濡れない場所に移動しようにも、まとめてスピーディーに移動させるのが容易でない場合、あっという間に被害が深刻化してしまいます。
配線が雨に濡れることで漏電のリスクが高まり、機械の故障を招く場合もあります。
さらに漏電による過熱や火花で、近くの可燃物に引火すると、最悪の場合、火災が発生します。火災発生時に、濡れた配線に誤って触れると感電する恐れもあり、非常に危険です。 また、電気配線は屋根裏など、普段目に触れにくい場所に設置されていることが多く、雨漏りが発生しても気づきにくいという問題もあります。
雨漏りにより工場の建材などが湿った状態になり、それが長く続くと、カビが発生しやすくなります。衛生環境が悪化するだけでなく、工場内にストックしてある商品への混入が起これば、企業としての信用問題にまで発展しかねません。また、カビはアレルギーを引き起こす原因物質になる場合があるため、従業員に健康被害を及ぼすおそれもあります。
多くの工場では、折板屋根あるいは波形スレートを採用しています。雨漏りという観点においては、波形スレートのほうが発生のリスクをおさえやすいです。
折板屋根は耐火性が高いですが、排水機能が充分ではないため、錆びやすいという問題があります。錆びは、最終的に雨漏りを引き起こす原因になってしまいます。ただし、遮熱シートを施せば、輻射熱の反射とともに雨漏り対策を同時に行うことが可能です。
一方、波形スレートは凹凸形状で水はけが良く、錆びにくく、紫外線や塩害、薬品にも強いため、雨漏り対策に適しています。
なお、いずれの屋根の場合も、ボルトで屋根が固定されている場合が多いため、ボルトが緩んだり錆びたりしていないかを定期的に点検する必要があります。
雨漏りの原因となる不具合が生じている部分が限定的ならば、防水テープでの修繕が可能です。ひび割れやコーキングが割れている部分などについては、コーキングで対処します。樹脂で隙間をしっかりと埋めていきましょう。
ただし、こういった方法は応急処置的な対処であるため、修繕後にも同じような雨漏りがみられるようであれば、専門業者に相談することをおすすめします。
屋根を新たに塗装し直すことにより、屋根の劣化が改善するため、雨漏り防止につながります。また、屋根塗装には屋根を補強する目的もあるので、経年劣化が進むスピードを抑えられるというメリットもあります。ただし、塗装の効果が維持される期間が過ぎれば、再び劣化が進むことは避けられません。定期的な塗り直しで対処することが大切です。
また、塗装の際には、塗り過ぎにも注意が必要です。塗りすぎることにより、小さな隙間に液体が浸透する「毛細血管現象」が生じるおそれがあるためです。施工を依頼する際には、業者を慎重に選ぶようにしましょう。
遮熱シートを工場の折板屋根に施工することで、雨漏りの発生防止になります。折板屋根は排水機能が高くないため、錆びやすいという問題がありますが、遮熱シートを貼り付けて屋根を被うことで、それが改善されます。さらに、輻射熱を反射するため工場内部の気温上昇を抑えられるというメリットも。
また、スカイ工法で施工できるので、施工中に工場内の機械などの稼働をストップさせる必要がありません。高圧洗浄で屋根の汚れを除去してから、両面テープを屋根に貼り付け、その上に遮熱シートを貼り付けていく工法なので、工場内部の業務に影響が及ばないのです。遮熱塗装と異なり、作業スタッフのスキルに差があっても仕上がりにバラツキが生じないところも、注目すべき特長です。
※参照元
日刊工業産業新聞公式サイト(2024.04.17付ニュース)(https://biz.nikkan.co.jp/sanken/shingizyutu/36shingizyutu.html)
※このサイトで紹介している会社は、Googleで2024年3月30日時点で「遮熱工事」で検索し表示される会社のうち以下の条件に当てはまる会社
➊遮熱工事の具体的な内容(遮熱材や工法の情報)が公式サイトに記載のある会社
➋施工場所の業務や工場の稼働などに影響のない工法(建物内ではなく「屋根の上」で行う工法)
➌同じ遮熱材・工法の場合、代理店は除外、自社が大元となって展開する商標登録元・特許技術取得元・販売元の会社12社です。
※その中で、特許技術取得、商標登録等されているオリジナルの工法(自社開発の工法)で、代理店の数や施工事例等から実績が多いと判断される会社を紹介。(上記の会社の中ではこの3工法となります)